テレビボード「HORIZONTAL」をデザインカスタム

名東店の松崎です、こんにちは。

先日の台風につづき、雷を伴う激しい雨が降るなどここ数日は不安定なお天気の名古屋。気象の変化は自然のことなので仕方ないですが、冠水などの被害がない程度で済む事を祈ります。

さて、本日は名東店より春日井市・T様のお宅へテレビボードをお届けしてまいりましたのでご紹介。

オーダー製作したテレビボード

T様はテレビボードのお買い替えでご相談いただきました。

いろんなお店をご覧になったそうですがピンとくるものに出会えず、ネットで見つけた当店も一度見てみようとご来店いただいたのがきっかけ。天然木を使ってきちんとつくるところやデザインの良さ、自由設計で使い手に合った形でご用意できるところなどを気に入っていただいたようで後日相談したいとご来店いただきました。

いろいろご覧いただいたなかでT様が気に入られたモデルは格子デザインが美しい「HORIZONTAL(ホリゾンタル)」。

イメージ的にもう少しシンプルにしたいとのご要望で吹寄せ格子のように上半分を格子の意匠、下半分をフラットなデザインですっきりと。格子の凹部分のピッチも細くすることでよりシンプルなイメージでプランニング。

ちなみに、ファーストプランはこんなイメージでした。

ファーストプランでは割り付けを2列デザインにし、一方を上下2段の浅い引出にしてノートPCなどを入れる想定のプランでした。しかし、ノートPCなどの家電系は買い替えで将来的にサイズが変わる可能性もありますし、浅すぎる引出の場合入れられるものが限定的になったりするので、いろいろ修正を加えて最終的に展示と同じ3列デザインに。

デザインのカスタムはそのまま採用し、両サイドを引出収納、中央を機器類収納のレイアウトにしました。

総幅は設置スペースに合わせてW1,500mmで設計してあります。

では、実際に製作したものを見ていきましょう。

内部仕様。

棚部分も引出部分もある程度の内寸高さを確保しておくと、入れる物に合わせて対応しやすいし仕切やカゴなどを使ってご自身でアレンジする余裕があります。

機材収納の扉の裏面にはガラスが入れてあり、ホコリの流入を防ぎながらスリット部分からリモコンの赤外線が抜ける仕組みなので扉を閉じたままで機器類のリモコン操作が可能です。

配線の取り回しについても配慮してあり、ケーブル類の結線がしやすいよう背板をやや大きく切欠き、天板中央にも配線用の切欠きを入れてあります。

「HORIZONTAL」の基本デザインは等ピッチの組格子イメージですが、吹寄せ格子のように上半分を格子デザイン、下半分をフラットデザインにアレンジ。

スリットを細く取ってあるので格子の立体感が出過ぎず、フラットでシンプルなイメージ。

下半分のフラット面を広くとってありますが、木目の表情を活かしながら全体的に整った印象になるよう材を通して木目がつながるように木取りにも配慮しています。

展示製品の高さはH350mmですが、テレビを視聴するポジションが変わらない方が良いとのご要望から以前お使いの物に合わせてH420mmに設定しています。箱の高さを上げると同時に壁面の幅木も避けられるよう台輪のサイズを計画してあります。

引出は内装に桐材を使い、四方蟻組・ベタ底などの伝統的な工法を採用した堅牢なつくりにしています。製品の表に出る部分ではありませんが、長く付き合える道具になるよう構造も吟味しています。

どれだけ見た目が良くても、無理のあるデザインや使い心地の悪いディテールでは製品寿命が短く使いづらい不便な道具になります。

デザイン偏重でなく、こういうところこそきちんと手を掛けてあげたいですよね。

素材は色目や木目、経年変化の様子を気に入られたウォールナットにてご用意いたしました。

納品の際は、幸いにも雨が降っておらずスムーズに納めることができて良かったです。

T様にも「イメージどおりです」と喜んでいただけたご様子で安心しました。