オーダーのキッチンバックキャビネット。中村区・U様

中川店の松崎です、こんにちは。

めっきり寒くなりました。暖冬傾向だと思い冬物のアウターはまだ出してなかったのですが、ここ最近の急な冷え込みに急いで出しました。12月ですからこれぐらい寒いのが普通なんでしょうけど、朝起きてベッドから出るのに気合がいる季節になってきました。

さて、先日中川店より中村区・U様邸にキッチンバックキャビネットを納品してきましたのでご紹介。

ご要望をそのまま形にしたキッチンキャビネット

U様はご新築を機にキッチンの収納をお探しでした。

いろいろな家具店をご覧になったそうですがサイズや仕様などちょうど良い食器棚がなく、なにか合いそうなものはないかと当店にもお立ち寄りになったそうです。

お話を伺っていると既製品でマッチするものを探すのは困難だと思い、過去の施工例などをご覧いただきながら当店では自由設計で個々のお客様に合わせたオーダー家具でご用意できることをお話ししたところご興味を持っていただいたご様子。数日後、具体的なイメージ・ご要望をお持ちいただいたのでヒアリング・プランニングすることに。

ご相談から形になるまで

壁面有効幅に合わせてカウンターとウォールキャビネット壁面施工のプラン。

カウンターの大まかなポイントとしては隣に並ぶキッチンに合わせて奥行をD650mm、高さをH900mmにすること、ゴミ箱用のオープン部分を設けること、炊飯器などを置けるスライドカウンターを設けることなどでした。

ウォールキャビネット扉の開き勝手はスライドとのご要望で、デザインはファーストプランでは格子デザインでしたが、途中修正を加えて最終はチェッカーガラスを使ったシンプルデザインで。

カウンターはまず優先度の高いゴミ箱用オープン、スライドカウンターのオープン収納部を確保し、残りの容積は収納するものや奥様のイメージから割り付けていきました。

食器類の収納容積はさほど必要でないとのことから、ウォールキャビネットは天井いっぱいでなく余白を残して軽快なイメージに。取り付け位置は奥様の身長や使いやすい高さを検討して決めてあります。

施工前の壁面。カラータイプのクロスを貼られているので背の高い据置き型で計画するより、カウンター＆ウォールキャビネットにするほうが壁面の露出が増えて効果的。

カウンターの収納部は引出、オープン収納の組合わせ。

キッチン収納でご要望が多いのがゴミ箱用のオープンスペース。

U様の場合、あらかじめお使いになるゴミ箱が決まっていたのでそれを基に内寸設定。

3個ぴったり並ぶ設計にしてあります。

炊飯器などを置くオープン部分はスライドカウンター式。炊飯時の蒸気が出ているときやご飯をよそうときに引き出して使えます。内部で電源が取れるように2口のコンセントを設けてあります。

引出内装はお手入れしやすい方がよいとのご要望から、ポリエステル化粧合板タイプの内箱仕様で。レールはフルオープンレールなので奥の物からでも取り出しやすいです。

ツマミやハンドルなどの金物も個々のお客様に合わせてご用意しておりますが、U様は隣に並ぶキッチンと同じ黒いハンドルをとのことから、どこか温かみがある無垢鉄のシンプルなハンドルでご提案。

天板はお手入れしやすい方がよいとのご要望から、熱やキズに強いメラミン化粧板仕様で。

テクスチャはいろいろありますが、ウッディなイメージがよいとのご要望から本体の木部に合わせてオーク柄にて。

オープン部のコンセントからの配線は天板側へ通すとのことから、壁面コンセントプレート位置に合わせて天板にコード用の切欠きを入れて。

ウォールキャビネットは壁面施工で浮かせて取り付け。

高さは奥様の身長や手の届く範囲を考慮して下端H1,500mmの位置で施工。

奥行は動作空間を配慮して邪魔にならないようにD350mmと少し浅めで。

奥様のご要望で扉のガラスにはチェッカーガラスを採用。

ガラスについてもいろいろな種類のデザインガラスの取り扱いがあるので好みのもので製作できますが、どこか懐かしく親しみを覚えるチェッカーガラスはナチュラルなイメージの家具との相性が良いです。

ウォールキャビネットはハンドルは付けず、縦框に手掛け用の彫り込みを入れてシンプルに。

チェッカーガラスは格子状の型押しガラスですが、ひとつのマス目がレンズのような役割をするのでキラキラ輝き、可視率が低くなるので収納した食器類などを丸見えにせず、食器棚には相性の良いガラスです。

施工が終わり「イメージ通りですか？」と伺ったところ、笑顔で「はい」と奥様。

家具は言うなれば生活の道具ですが、U様に合わせて作ったこの道具が日々の暮らしを楽しく豊かなものにしてくれれば幸いです。